好きこそ人の正義なり!(仮)

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すべてはロマンスの為に


「こんにちワンダフルー!ただ今のオー時間は、オ昼のオ食事中、でごさいまッす!ピーっという発信音の後ただちにオ要件を」
「あの、ピンクさんですよね」
「はーい!アッッ!自動アナウンスの術が破られてしま」
「兄はいますか?」
「ご主人タマですか?ただ今茶そばをオー召し上り中でございまして」
「かけるなら昼にしろって、言われたんで」

「何だ」
「何だ、って。アニキがかけろって言ったんだろうが」
「いつから来れる」
「いつからって。。。行くなんて一言も言ってないっつってん」
「じゃあ今日の夕方よれ」
「まっ、待てよってっ、あっ!」

こちらの返答を待たず切れてしまった通話に腹立たしさを感じながらも、俺は溜め息を一つついてボタンを押し、携帯電話をバッグに戻した。とぼとぼと歩き始めた足を、兄貴の事務所兼自宅へ向ける。どうせこれから他に用事が、行きたい場所が決まってたってわけじゃないんだし。夕飯代を浮かせるのにも丁度良いや。

電車を3本乗り継いで、小さな商店街を歩く。その最中、数ヶ月ぶりに顔を合わせた兄が言った一言を、何度も思い出していた。
どんな風に見えるんだろう。街を歩きながら周囲に目を配る。
そんなに変わっただろうか、そんな風に見えるのだろうか。
「青春殺してます、って顔してんな、お前」
実家で少し話をしている最中に、どことなく呆れたように。
就職の内定が決まったと、集まった会食の際報告して、風呂に入って、縁側で溜め息を一つついて。
兄貴には分かんないよ、自営業だかなんだか知らないけど、ちゃんとした会社に就職もしないでさ。
これから一人前の大人やってくんだって、学生最後の冬を消耗中の、俺の気持ちなんか。


ピンポンを押すとハーイと電話口で聞いたのと同じ明るい声がして、すぐドアが開いた。兄貴から少し話は聞いていたが、彼女を見るとあからさまに後じさってしまった。俺は戸口に現れたいわゆる外国人の美女に面くらい、「あの、えっと」と言葉を飲み込んだ。日本語は通じるんだったよな、どこまで通じるんだろう。
「ご主人タマの弟ギミですね!お待ちしておりました!こんばんワンダフル!」
「あ、え?あぁ、はい。おじゃまします。。。」
美女は美女でも童顔気味の、何かのコスプレ衣装と思われる洋服を着用したピンクさんは少しおかしな日本語で俺を迎え入れてくれた。背は俺より低めなので165センチあるかないか、外国人だと兄貴から聞いていたので驚かないつもりでいたのだが、瞳の色が青くて髪の色が金色という典型的な外国人に出会ったことが人生史上一度もない俺にとっては彼女の存在は軽い衝撃だった。俺の数歩先で、金色のポニーテールが揺れる。廊下を抜けてドアを開けたピンクさんが「ご主人タマ、お連れしましたっちゃ!」と明るい声を上げたのを聞いた途端俺は失礼にも噴き出して笑ってしまった。

ピンクさんは俺を振り返り、「私、また何か間違えたとでも?」と尋ねたが、その問いに答えることは俺には出来なかった。むせるほどに笑ってしまったからだ。色々間違っている、とにかく色々間違っています、とは初対面の外人さんにはとても言えない。
「Oh,I'm so sad now,I've thought all of Japanese people are kind...」
「な、何?ご、ごめんなさい」
「日本人はみんな優しいと思ってたのにがっかりだってよ」

兄貴がこちらに近づきながらそう通訳してくれた。俺は両手を顔の前で合わせて頭を何度も下げながらピンクさんに謝罪した。ピンクさんはけろっとした表情で笑顔になり、「お気になさらず。ワタシが半人前仕方ないでしょ!お茶をオー持ちしますね!」と明るい声で言ってドアを閉めた。
はぁ、と溜め息をついて兄貴の顔を見た。兄貴は面白そうにクックッと笑いを噛みしめながら「まぁ座れよ」とソファーへ促した。

「ピンクさんは何で兄貴なんかの下で働いてんだよ、あとピンクって絶対本名じゃないよね?」
「そこから聞く?長くなっちゃうけど」

ピンクさんがトレーに載せたコーヒーセットを持って現れた。ローテーブルに置かれたポットやカップを目にして俺は目を見張った。どう見ても兄貴の趣味でない上に、どれもその手のものに全然詳しくない俺にでもそれが高級品と分かる趣味の良いデザインだった。俺は兄貴を無言で見つめた。兄貴はうんうんと頷いて、「ピンクの話をすればお前が今疑問に思ってる大体の謎は解けるな」と腕を組んで言った。ピンクさんはコーヒーをそれぞれの前にセットし終えると兄貴の隣に座ってにっこりと微笑んだ。

(か、可愛い。。。)
こういうのをアニメ顔と言うのだろうか。外人さんがいざコスプレをすると、テレビの映像から実物が出てきたのかと思うくらいクオリティーが高いもんだよな、と知ってはいたのだがまさにその通りだった。どうしてこんな可愛い女の子が、兄貴なんかの下で。

「あれは、俺がイキリズで有り金全部持って、バックパッカー旅行を続けていた最中の」
突然物語を朗読するような口調で説明し始めた兄貴に少し驚きながら、俺はコーヒーにクリームと砂糖を入れて口に含んだ。
(あ、美味しい。。。)

 あれは、俺がイキリズで有り金全部持ってバックパッカー旅行を続けていた最中の
 ことだった。路地で半べそをかきながら、片方の足が裸足の状態で辺りをキョロキョロ
 見回している女の子がいたんで、近づいて様子をうかがったんだ。

「ワタシの事ですぅー!」
ピンクさんが兄貴を嬉しそうに見つめる。兄貴は物々しくピンクさんと顔を見合わせて一度頷くと、ひと呼吸置いてまた語りだし始めた。俺はバスケットに入ったクッキーを一つ手に取り、かじった。
(おお、クッキーも美味しい。。。)

 「What's goin on?」と近づいて尋ねると、彼女は驚いて睨みをきかせながら
 俺に早口でまくしたてた。日常会話程度しか英語が分からない俺には彼女が何を
 言っているのか理解出来なかったが、目を吊り上げて怒りをあらわにしていたから
 どうやら疑われているということだけは分かった。

「ワタシに何かするつもりか、誘拐して身代金を奪うつもりじゃないだろうな?!少しでもおかしなことを企ててみろ、お前を殺す、というような旨の内容をお話いたしましたぁ!」
「お、お前、そんな恐ろしい言葉を」
「それで?」
「そう、それで」

 道路の車の通行量が多くて脱げた靴を拾えないまま歩道で立ち止まっているうちに
 靴が壊れてしまったのだと状況から察した俺は、手を上げて車を止めた後靴を
 拾って戻った。彼女は半泣き状態だった、そりゃそうだろうよその靴はもう
 足を入れたってとても歩けるような代物じゃなくなっている。靴を両手にもって
 べそをかいている彼女を背中に担ぐと、俺は通りを歩き出した。彼女は足をくじいて
 いたんだ。

「ワタシその時は一巻の終わりと思われました、何処かへ連れて行かれて、バラバラ死体にされて、死体にされてなお身代金を要求されて」
「どんだけ大事になってたんですか、っていうかけっこう難しい言葉知ってるんですね、一巻の終わりって、あんまり言いませんよ日常で」
「たま、タマ。ウフフ」
「変な所に句読点設けるのやめてもらえます?」
「まぁ続きを聞けば分かる、全部理解出来る。彼女は足をくじいていたんだ」

 彼女は足をくじいていたんだ。おもむろに車道に出たところに車が来たのを慌てて
 避けた拍子に、っていう一連の事態が飲み込めた俺は、どうせ英語で会話してみても
 分かんないままだからって彼女を担いで病院に運んだ。彼女は俺の背中を
 バンバン叩いて、髪の毛をひっぱって、頭突きまでして。その後よほど自分の頭も
 痛かったのか、しばらく大人しくなった。何ブロックか先の病院へ着くと彼女を
 入口の女に渡して、「Her leg is injured」とだけ告げてその場を去った。
 彼女は病院まではずっとギャンギャンくっちゃべってたんだが、下ろして立ち去ると
 静かになって呆然としているようだった。

「My price...ご主人タマはまるで王子様のようでした、ワタシはまさに、シンデレラの姫様のようだった。。。How fantastic,beautiful romance...」
「なるほど」
「日本人、とっても優しい。ワタシご主人タマを探し出して、感謝の気持ちを伝えた」
「そこはどちらかと言うとピンクさんが王子っぽいよね」
「そうだ、まさに王子。そうしていただいたのが、この職場っていうわけだ」
「。。。は?!」
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