恋とか愛なんて、下の下なんだからな(仮)

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そうだ、これは夢に決まってる、だってほら見たことあるだろこの景色、なんども何度も繰り返し出てくるあの女、それで決まって言うんだ、あのセリフ、言うぞ言うぞ、今にもこう言うんだ、それ見たことかとあの決まりきった言葉を。

僕の手を、そっと握って。見上げた口元はゆるく跳ねて、僕より10歳は年上の、色気も貫禄もあるザ・大人の女って感じで。その口元がおもむろに半開きになって、そして。。。

『貴方にだけ、教えてあげる、私の秘密』

僕と彼女以外の景色はファンシーなピンクがかっていて、彼女は崩したお姉さん座りで僕の前にいて。薄水色の裾の広がった、ノースリーブのワンピースを着ていて。胸元はもう少しかがんだら下着がチラリと見えてしまいそうで見えないくりのU字ネックで。

彼女はそう言うと僕のされるがままの、力が思うように入らないまま浮遊した左手を掴んで、彼女自身にゆっくりと引き寄せて。

『ここに指を当てて、開いて?』  

彼女の姿はいつでも鼻から下しか僕の目に映らない。白い指が、スカートの裾から覗いている投げ出された足首が、僕の心臓を否応なく騒がせて、僕の手は、僕の左手はその透き通る白に吸い込まれていくみたいに誘導されて、そして。。。


「痛ったーーーー!!!」
肩に走った鈍い痛みに目を開けると勉強机と椅子の足がぼやけた視界に飛び込み、僕はその時ああまたベッドから転がり落ちて目を覚ましてしまったのだと気づいた。時計を見ると7時半で。
「うわっ!やっべ!!またやった!!」

「あんた、なんでまだいるの?!」
「うるさいな、なんで起こしてくんねーーんだよ!!」
「義務教育は中学まででしょ、朝くらい自分で起きるのが」
「あーーーもう時間ない!!」
慌てて家を出て、学校まで走った。走って走って、走りながら思った。
遅刻したっていいから、あの夢の続き、今度こそ見たかったのに。
いつでも同じ、あのタイミングで、消えてしまう。

彼女が僕の左手の指を、何処へ誘導しようとしていたのか。考えるだけで股間が疼いてきそうになる。僕は首をブンブン振って、同じように走っている生徒を追い越しながら校門を抜けた。

「ま、間に合ったァーー」
「お・そ・い・ゾ!アオケン!!」

後ろ黒板の真ん前の席に突っ伏して座り込み、脱力し伸ばしていた手の甲を、クラスメイトで友達の城門将(ジョウモンマサル)が『パン!!』と勢いよく叩いた。僕はその瞬間に上半身を反射的に起こした。
「い、痛ったーー、くない!」
「音だけすごい叩き方、上手いだろ」
「るさいなぁーーちょっと休ませて。。。」
「今日もだらしないなぁーーアオちゃんは」
「はいはい、青二才のアオちゃんでしょ、青春上等、青二才で結構」
「拗ねないすねない!青春上等!」
「青春上等!!」


「はい席ついてーー、ドア閉めてねーー。ここから入って来たやつ遅刻扱いだからねーー」

城門と青春上等の堅い握手を交わし奴が席に戻るのに合わせて、笑顔のまま黒板の方を向くと僕は「ハッ」と音が自分の耳に届くほど息を短く吸った。僕の視線は黒板の前、教師の隣に立っている、男子生徒に釘付けになりながら腰を落ち着かせた。
転入生と思しき男子生徒は真っ直ぐ顔を上げて教室内を見回した。黒い短髪、重めの前髪から覗いている大きな瞳はくぐもっていて、眠そうに瞼がやや下がっていた。放心状態で彼を見つめている僕と目が合った時、その男子生徒が目を見開いたのが分かって僕は息を詰まらせた。その時だ、その時、彼は。

「転校生を紹介します。榊夏十(サカキナツト)君。こんな時期でみんな受験で手一杯かもしれないけど、仲良くするように」
「えーーなんで今?ねーーさかもっち何でぇ?」
「榊君は成績優秀だからな、分からない教科のこと教えてもらいなさい」
「先生が生徒に勉強教われとかぁーー、言っていいんですかぁーー?」
「勉学を通して交流を深めるのが学生の本分だろうが、問題あるか」
「先生男言葉直さないと一生独身ですよーー」
「静かにせんか!ホームルーム始めるぞ。榊君、青空の隣の席、座って」

「青空?」

彼はそう不思議そうに一言言って、僕を見て少し微笑んだ。僕はまた息を短く吸って、しかしながらいつものように頭をちょっとかいた。青空なんて名字のせいで、必ずと言っていいほど初動の紹介で突っ込まれるのは常だった。

「ああ、青空って名字だ、青空健太郎(アオゾラケンタロウ)。一番最初に名前覚えてもらえて良かったな、青空」
クラスに笑いが起こって(いつものこと)、しかし僕は、いつもならふざけて言う「青空健太郎、青春上等、一生青二才が僕のポリシーです、よろしくお願いします!!」というセリフを出しそこねて少しぎこちなくはにかみ、小さく頭を下げた。坂本先生が「あれ、おかしいな。犬の糞でも踏んだのか?」と言った言葉に爆笑が起こり、その間にも転校生の彼は僕の隣の席に近づいてそろりと席に座った。

「もっと元気な奴なんだが、青空!隣の席のよしみで、榊が慣れるまで色々教えてやること」
「ほぇ?!」
「ほえって、ハイだろ、ハイ」
「はい。。。」

ホームルームの内容に切り替えた坂本先生の声が耳鳴りのように遠くで聞こえていたけど、僕は隣の席に着いてからこちらを一瞥して「よろしく」と言った彼の隣で、言葉に出来ないほどの混乱の中にいた。

僕はまだ、目覚めていないのか、いやそんな訳が無いよな。

机の上に意味もなくノートを出して、シャーペンの先を出したり引っ込めたりしながら、さっき見た榊の表情を繰り返し繰り返し思い出していた。
彼が黒板の前に立って、廊下側の端から教室を見回した後、僕と目が合った後の、あの口元。

今朝見た彼女の、眼下の表情と、まるで重なって見えたんだ。



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